平部薬局
所在地 | 宮崎県日南市 |
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開局 |
1915年 |
店舗数 |
1店舗 |
常駐薬剤師数 | 3人 |
立地 | 商店街 |
導入年月 | 2021年4月 |
導入前の状況 | 手書き |
江戸時代の街並みを現在に残す、宮崎県日南市飫肥(おび)。平部薬局はその一区画で百年以上にわたって営業を続けている。三代目の平部宜俊さんは、21年になって『CARADA 電子薬歴 Solamichi』(以下『CARADA 電子薬歴』)を導入した。導入に至った経緯、紙薬歴時代からの業務の変化について話を聞いた。
導入の目的 |
薬歴作成の時間短縮、個別指導対策 |
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導入の決め手 |
使用経験者からの推薦 |
得られた効果 | 薬歴作成にかかる時間の短縮 |
重要伝統的建造物保存地区に九州で初めて選定されています。城郭を中心に武家屋敷なども現存することから、その街並みを見るために訪れる方が多くいます。
この通りは商家が集う地区で、厳密にいえば保存地区というわけではないのですが、昭和40年代に通りの商工会が中心になって景観保全に参加しようと決めて、白と茶を基調とした外観などの独自基準を定めました。行政が入ったわけではないので強制力はありませんが、それでもほとんどの商店がいまでもその基準を守っています。
そうですね(笑)。でも都心部みたいに商圏が広ければ別でしょうけども、地域の方はここに薬局があるということはわかっているので、わざわざ外観でアピールする必要はありません。
大正4年からこの場所で薬局をしていて、私で三代目になります。
ありません。昔は町の薬屋というのは、病院とは別に存在していました。風邪を引いたような場合は病院に行かずに薬屋に足を運ぶ人も多くいたのです。患者さんから症状を聞いて、それを緩和するような薬剤を、いまのように錠剤になっていなくて粉末のものを調合して出していました。自家調剤と呼んでいましたが、長年そういう形態で薬局を続けていました。
地域にお住いの高齢者が中心で、県立病院や、市内のクリニックにかかられている方が処方箋を持ってこられます。薬を取りに来ることが難しいような方には配達もしています。
娘に言われたからです(笑)。娘も薬剤師で他の薬局での勤務経験があります。紙よりも時間が短縮されるし、個別指導対策にもなるからと勧められました。『CARADA 電子薬歴』を選んだのも、娘が勤務先で使用経験があって、使いやすかったという理由からです。
こちらに戻ってきています。基本的には私と妻と娘、3人の薬剤師で回しています。
65歳です。
とくにありませんでした。パソコンは平成の初頭、医薬分業が本格化した頃から使用していましたし、いまはわからないことがあっても身近に娘という先生がいるので、いつでも聞けます(笑)
患者さんの個別の話は打ち込んで、それ以外は指導ナビを使っています。
個人的にはとくにSOAP形式に対するこだわりはありません。SOAPというのはある時期を境に重要視されるようになったもので、たとえばいまの40代、50代の方たちはおそらく薬学部でそのように習ったのだと思いますが、私たちの時代にはそういう言葉すらありませんでした。患者さんとの会話など、必要なことを記すというシンプルなルールでいいと思います。
手書きのときは、たとえば薬歴を書いているときに漢字ひとつ思い出すのに時間がかかったりしていました(笑)。そうしたロスがないので作成にかかる時間は短くなりました。紙の時代は一般的なもので5分、いまは2分といったところです。
心理的な負担感も軽減されました。紙薬歴のときは薬歴を書くという作業が正直に言えば苦痛で、自分の中で言い訳を作って後回しにしがちでした。いまは基本的な内容の記載はクリックで済みますから、そうしたネガティブな感情はありません。業務の合間を見て作成できるようになりました。
添付文書です。併用薬の確認を患者さんから求められたときに、薬剤名から開けるので便利です。紙薬歴のときは調剤室に行って、薬剤の箱に保管している添付文書を引っ張りしだして確認する作業が必要でした。いまは投薬口から離れずに患者さんに説明できます。
あとは検査値欄もよく使います。前回と比較してたとえば血糖値の数値が上がっていたとしたら、「ちょっと数値が上がっていますね。何か食べましたか。」と聞くと、いまの季節なら「柿を……」というような答えが返ってきます(苦笑)。糖分の摂取を控えてくださいと指導して、その会話内容を薬歴に記録します。
まだ完全に移行が済んだわけではありませんけどね。患者さんが来られたときには、紙薬歴も確認のために出すようにしています。ただ患者さんの数も限られていますから、そうした作業もとくに面倒には感じません。完全な移行は今後数年をかけて済ませればいいと考えています。
薬歴を書く時間が短縮できましたから、その時間をほかの業務に充てることを予定しています。たとえば発注と在庫管理。これまでは精査する余裕がなかったので、余分に発注する傾向にありました。本来ひと月2箱で足りるのに3箱頼んでしまっているものもあるでしょう。ひとつひとつ見直すことで、経営の効率化を図りたいと考えています。
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