データを活用して新型コロナウイルスの薬局に対する影響を確認していきましょう。
2021年12月8日公開
前回は、一歩先の薬局経営としてITを活用した薬局経営をテーマにしていくことを提案しました。今回は具体的にデータを活用して新型コロナウイルスの影響を確認します。
「新型コロナウイルスにより患者さんが受診を控えた結果、大きく処方箋の受付回数が減少した」とよく耳にします。データを活用すると大きな変化は以下の3つに整理できます。
①小児の急性処方が減少
1店舗あたりの処方箋受付回数の前年同月差を累積すると傾向が確認できます。処方箋の受付回数は全体的に減少したのではなく、特に急性処方が減少したことが大きな要因です。その急性処方の減少は小児(0代)によるものです。一方で慢性処方は急性処方が減少していた期間は横ばいでその後、増加しています。
②慢性処方が長期化
慢性処方では処方の長期化が起こりました。ピークは2020年4月です。ちょうど新型コロナウイルスの第一波と重なります。それ以降もいくつか山がありますが、年末年始やGWに合わせて処方が長期化されるものといえそうです。第一波以降は新たに長期化されるというより、長期化された処方がそのままの処方日数で継続しています。
③在宅処方が増加
新型コロナウイルスの流行以降、在宅処方の受付回数が増加しています。直近1年間の処方箋受付回数は前年と比較して約20%増加しています。
上記をまとめると新型コロナウイルスの影響による処方箋受付回数の減少は主に小児の急性処方の減少によるものでした。一方、慢性処方は長期化の影響はあるものの、ほぼ横ばい〜増加しており、その増加の一部は在宅処方によるものと確認できました。
*データ・ロジックは全て(株)プレサスキューブが運営するBHI統計データを使用
新型コロナウイルスの影響下、上記の変化には患者さんのどのようなニーズがあるでしょうか。例えば、小児の受診抑制を対面や接触への不安と考える場合、そこにITの活用(SNSなどの処方箋送信やオンライン服薬指導)を選択肢の1つとしてお勧めしてはいかがでしょうか。また、お勧めした結果、取組みの効果をデータで検証できると良いですね。それ以外にも処方の長期化、在宅処方の増加に対してもどのような取組みができそうでしょうか。
データを活用して変化を正しく把握することで薬局が取るべき対応が仮説として見出せます。また、その仮説に対する取組みの効果をデータで検証することが重要です。取組みを始める段階で検証するデータを決めておくと良いでしょう。このようなサイクルから継続的に学習していくことが一歩先の薬局経営といえます。
金指 伴哉
薬樹HD株式会社 執行役員
株式会社プレサスキューブ 取締役
2001年 東京薬科大学を卒業後、薬樹株式会社入社
2012年〜2020年 薬樹健ナビ株式会社 代表取締役
2016年〜現在 株式会社プレサスキューブ 取締役
2018年~現在 薬樹HD株式会社 執行役員
在宅訪問件数が増えたり、健康サポート薬局の認定を取ったりと予測できなかった薬局の変化にも柔軟に対応できる月額料金の定額制。端末追加でも追加料金がかからないのでタブレットの試験導入も可能。薬局に合わせた運用の変化にも安心です。
さくらい薬局様(愛知県)
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