新規出店に合わせて初導入
向精神薬、漢方薬の服薬指導に活用

シエル薬局つくば研究学園店

所在地 茨城県つくば市
開局

2020年9月

店舗数

3店舗

常駐薬剤師数 1人
立地 病院の近く
導入年月 2020年9月
導入前の状況 新規開業

シエル薬局つくば研究学園店は、つくばエクスプレスのつくば研究学園駅から徒歩10分ほどの場所にある。運営するのは土浦を中心に店舗展開する株式会社ケンユウ。20年9月の開局に合わせて、同社としては初めて『CARADA 電子薬歴 Solamichi』(以下『CARADA 電子薬歴』)を導入した。同店の管理薬剤師・落司幸生さんに話を聞いた。

導入の目的

省スペースでの新規開業のため

導入の決め手

検討したクラウド型電子薬歴の中で、操作が最も簡単そうだと感じたから

得られた効果 薬歴や報告書が負担なく作成でき、しっかりとした指導・記録をして安心して加算が取れている

漢方内科と心療内科を専門にするクリニックの門前にあります。このクリニックのオープンに合わせて開局されたのでしょうか。

もともと土浦市内で3店舗展開していたのですが、クリニックの先生が調剤薬局を探していることを共通の知人からお聞きして、出店を決めました。ただし、近場になかなか空き物件がなく、クリニック開設から少々遅れての開店となりました。

ずらりと漢方薬が並んでいます。漢方がここまで揃っている調剤薬局はなかなかないのでは。

これほどの種類と量を置いている薬局は少ないかもしれませんね。当店では6社の漢方エキス製剤を取り扱っています。たとえば同じ葛根湯でもメーカーにより1日分の生薬量やエキス末量が異なります。そのため、同じ顆粒(細粒)でも一包あたりの製剤量や服用回数が違い、さらには錠剤や刻み生薬などいくつもあって、クリニックの先生はそれを使い分けています。

薬棚にはあらゆる種類の漢方薬がずらりと並ぶ。生薬の調合にも対応している。

漢方薬について覚えるのも大変そうです。

私は、30年近く製薬会社で医薬品の開発に携わっていました。その中で新卒から13年半程、漢方メーカーに在籍していたので、多少知識はありました。ただ新薬と違って効能が多岐にわたるので、患者がどの症状で使われるのかを知る難しさはあります。たとえば「五苓散」。私どもはこれを飲み会の後に飲むことがありました (笑)。二日酔いに効くんですね。でもここでは、気象病と呼ばれる気圧が関係する頭痛薬としてよく処方されている。そうした部分で気づかされることは多くあります。

現在の医療の中心は西洋医学ですよね。漢方に知識のある医療関係者は多くはないのでは。

以前に比べれば増えてきていると思います。私が大学生のころは東洋医学に関する講義はあまりありませんでした。そんな状況に対して、漢方メーカーの尽力により、各医学部において、漢方医学教育を取り入れてもらうように働きかけていました。そうした活動がようやく実を結んできているのではないでしょうか。

隣接するクリニックには心療内科もあります。向精神薬の処方に難しさはありますか。

私もこの分野は初めてなので、手探りの部分はありました。患者さんがよく気にされるのは副作用についてです。お話することが多い例としては、車の運転への注意があげられます。あとは併用薬との飲み合わせ。自ら調べられる患者さんも少なくありません。そのあたりはしっかり説明する必要があります。

薬の棚には付箋でいろいろ書かれています。

適応症です。たとえばAという薬は多動性障害と注意欠陥障害で処方される。処方箋だけでは患者さんがどちらの病気かわかりませんが、病気によって求められる服薬指導の内容は変わります。そういうケースでは患者さんや先生にどちらで診断されたのか聞くようにしています。

ハイリスク薬加算は取っていますか。

該当する場合は、ほとんど取っています。『CARADA 電子薬歴』では服薬指導の際に確認する例が薬ごとに表示されるので、それを参考にすることで医薬品を個々に調べることに比べ時間の短縮にもなり助かっています。

疑義照会やトレーシングレポートといった例はあるのでしょうか。

ありますね。ただ、そうしたケースは向精神薬よりもむしろ漢方薬に多いかもしれません。たとえばある患者さんのケースでは、服用し始めて数日で、高熱が出て、肺炎に似た症状が起きたため、かかりつけの医療機関を受診し、その指示で漢方薬をやめたら有害事象が治まったということがありました。医師にはトレーシングレポートで報告しました。レポートは『CARADA 電子薬歴』に打ち込んだ内容に、日付を加えるだけで簡単に作成することができるので報告業務が軽減されます。

服薬情報提供書を薬歴からクリックするだけで作成することができる

漢方のほうが体に優しいようなイメージは一般にありますが……。個人の体質によって、合う合わないというのはあるんですかね。

ありますね。漢方の中でもどの生薬がその患者さんに合わないのかを考えますね。

電子薬歴化が可能にした省スペースでの営業

『CARADA 電子薬歴』の導入はどのような経緯で決まったのでしょうか。

クラウド型の電子薬歴で3社ほど検討して、最終的に選んだのが『CARADA 電子薬歴』です。私も含めて年配者が多いので(笑)、操作がもっとも簡単そうというのが決め手になったと思います。

『CARADA 電子薬歴』で副作用や飲み合わせなどについて確認したうえで服薬指導をしている。

この店舗に移る以前は、電子薬歴を使われていたのですか。

私が以前いた店舗は紙薬歴でした。会社員時代に副業で大手ドラッグストアの調剤室で働いていた経験もありますが、そのときも紙でした。電子薬歴を使うのは初めてです。

紙薬歴時代を振り返って、大変だったことはありますか。

患者数が多くて、さらに診療科目も多岐にわたっていると、どうしても薬歴を書く時間がなく、大変でした。投薬を済ませたあとは薬歴をカゴに入れておいて、患者さんの数が落ち着く夕方から作業をするのですが、患者さんに何を聞いたのか、患者さんが何を話したのか、メモした付箋を貼ったりして対応するなどしないと、記憶だけだと記載が困難なこともありました(苦笑)。
薬歴の保管も大変でした。ずっと継続されている方だと、薬歴が辞書くらいの厚さになってしまうこともありましたから。それが棚にずらりと並んでいるわけで、多くなると探すのもひと苦労です。

もし紙薬歴だったら、この店舗内でファイルの収納場所を確保することは難しかったのでは。

無理でしょうね。日に日に多く、厚くなっていく薬歴を収納するスペースがありません。

電子薬歴に切り替えることで、人件費だけでなく、スペース面でもコスト削減が期待できるということですね。操作性についてはいかがですか。

問題なく使わせてもらっています。指導ナビを見て、服薬指導する薬の副作用を確認してから患者さんに説明しています。薬歴の作成時間は基本的な作業はチェック式になっているので短縮されています。便利だなと感じるのは薬名をクリックすると添付文書が出てくる点ですね。副作用の確認もでき、併用薬の飲みあわせの確認がすぐにできます。その点を気にされる患者さんが多いものですから。

今後『CARADA 電子薬歴』を他店舗でも導入される予定はありますか。

現在レセコンと同じメーカーの電子薬歴を使用している店舗があります。その契約終了後に、切り替えを検討していると聞いています。現在のスタッフの中にも異なる電子薬歴を使っていた薬剤師がいますが、『CARADA 電子薬歴』はスムーズに利用してもらえています。なので、操作の面では移行に心配はしていません。

ぜひご活用ください。本日はありがとうございました。

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