紙薬歴時代に個別指導を経験
電子化で課題に対応

かちどき薬局向島店

所在地 東京都墨田区
開局

1995年

店舗数

20店舗

常駐薬剤師数 3人
立地 病院門前
導入年月 2020年6月
導入前の状況 紙薬歴

インタビュー動画

かちどき薬局向島店は東京都内・埼玉県を中心に薬局を展開するかちどき薬品が運営している。同社は20年、運営する19店(当時)全店舗で『CARADA 電子薬歴 Solamichi』(以下『CARADA 電子薬歴』)を導入した。導入後の業務内容の変化について、同店の管理薬剤師・新井晴子さんに話を聞いた。

導入の目的

フォローアップの強化、業務の効率化(グループ全店舗導入)

導入の決め手

簡易な操作性と薬剤師業務をナビゲートする「指導ナビ」

得られた効果 薬歴内容の充実と、フォローアップや申し送りの漏れ防止

総合病院の駐車場側入り口に面しています。

もともとはこちらが病院の玄関口でした。近年病院が改装されて、逆側に新たな正面玄関ができていますが、従来と同じようにこちらから出入りする方も多くいらっしゃいます。

どのような診療科目の患者さんが来られるのでしょうか。

内科全般のほか、糖尿外来の処方箋をもって来られる方が多いです。

『CARADA 電子薬歴』導入前は紙薬歴でした。薬歴を作成するのは大変だったのではありませんか。

長年紙薬歴でやっていたので、それが当たり前になっていて、とくに大変とは感じませんでした。ただし、患者さんに確認すべきことを毎回しっかり聞けていたかと言えば、そうではなかったと思います。

『CARADA 電子薬歴』導入後はその部分が改善されたわけですね。

指導ナビを参照することで、聞くべきことが毎回明確になりました。副作用をはじめ、幅広い情報を得られますし、参考書代わりになっています。

電子化されたことで変わったことは、他にありますか。

ファイル管理が不要になったことです。紙薬歴のときはその日来られた患者さんの薬歴がデスク上のかごの中に積み重なっている、という状況になることも珍しくありませんでした。薬歴を書き終えるまでは棚に収納できないからです。

紙だと仮保存というわけにはいきません。営業時間終了後に薬歴を埋めていって、ようやく棚に戻せるというわけですね。

はい。ただ忙しい時にはその日のうちに終わらず、積みあがったままで翌日の営業時間を迎えてしまうようなこともありました。その状態で翌日また同じ患者さんが来られて、患者さんの薬歴をなかなか見つけられない、というようなケースもありました。

紙薬歴ならではのトラブルですね。『CARADA 電子薬歴』導入時の話を教えてください。電子薬歴に切り替えると聞いたときにはどう思われましたか。

とくにネガティブな印象はありませんでした。いつかその日が来ることはわかっていましたから。ただし、私も含めてパソコン操作に不慣れなスタッフがいたので、使いこなせるのだろうかという不安はありました。

実際に使ってみていかがでしたか。

それほど難しくは感じませんでした。画面上に表示される項目が、それまで自分たちが紙薬歴で書いていたものと同じなので、どこをクリックすればいいのかと悩むことがなかったからだと思います。

店舗は1階がカウンターと待合室、2階が調剤室という構造になっています。1階と2階の連携はどのようにされているのですか。

1階、2階それぞれに薬剤師がいて、患者さんが来られたら2階で調剤と監査をして、1階の薬剤師が患者さんに服薬指導をして薬をお渡しする、というように分担しています。紙薬歴時代は薬歴が2階にあったので、それを1階に持っていく必要がありました。電子化されたことでその手間はなくなりました。

『CARADA 電子薬歴』はそれぞれどのようにして使っているのですか。

調剤・監査担当、カウンター担当の薬剤師ともに『CARADA 電子薬歴』で患者情報や過去薬歴などを確認しています。薬歴は最終的にカウンター担当の薬剤師が主訴の部分を埋めて完成させます。

薬剤師の間で書き方を取り決めたり、共通のルールを設けたりしているのですか。

とくに決めていませんが、他の薬剤師が書いた薬歴を見て参考にすることはあります。お互いに工夫しつつ、より良い方法を模索しています。

取材は2階調剤室で行った。電子化以降、ファイル収納棚はジェネリック薬品棚に変わった。

個別指導を念頭において薬歴を作成

患者さんは糖尿病の方が多いとのこと。ハイリスク薬も多いでしょうね。

ハイリスク薬が処方される患者さんは多いです。指導ナビを参考にしつつ、「服薬指導」カテゴリに用意されてある文章も交えて患者さんに説明し、薬歴に記載することで、加算も取るようにしています。

薬剤の平均単価が高くなると個別指導の対象になる可能性が高くなります。

まだ紙薬歴だった数年前に個別指導を受けたことがあります。その際に指摘されたことは、ひとつが電子薬歴にしたほうがいいのではないかということ、もうひとつが服薬指導のバリエーションを増やすことでした。『CARADA 電子薬歴』導入後も、私も含むスタッフ全員が、そのことを念頭に置いて業務にあたっています。

かちどき薬局さんは全社的に服薬指導のフォローアップにも力を入れていると聞いています。

そうですね。新規や、薬の変更があった患者さんを中心にお声がけするようにしています。

その際に『CARADA 電子薬歴』を利用していますか。

ToDo機能を使っています。たとえば2週間後に連絡を入れることになったときには、該当日にポップアップ表示されるように設定しておけば、忘れることがありません。
ポップアップ機能は便利で、患者メモでもよく使います。申し送り事項があるときには、その患者さんが次回に来られた時にポップアップされるように設定しておくのです。こうすることで伝達漏れを防げます。

最後に、今後の課題、展望についてお聞かせください。

『CARADA 電子薬歴』についていえば、現状まだ十分に使いこなせてはいないと思います。たとえばカウンター担当の場合、申し送り事項などは紙に印刷してから説明に行きますし、そこで患者さんから聞き取ったことも紙にメモしています。どちらも直接パソコンを操作しながらできれば、より時間が短縮されるはずで、今後の課題と言えます。

もうひとつは、個別指導への対策です。処方箋の平均単価から考えれば、いつ調査が入っても不思議ではありません。もちろん隠し立てするようなことはないのですが(笑)、薬歴や基礎情報の不備を指摘されるような事態はできる限り避けたいと考えています。『CARADA 電子薬歴』の操作の習熟度が増すほど、そうしたリスクは低減されるはずなので、もっと使い込んでいけたらと思っています。

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