2021.12.16
株式会社ソラミチシステムは、薬局を取り巻く最新の情報を薬局経営の最前線で活躍する執筆者が分かりやすく解説する「お役立ち記事」を毎月配信しています。
12月は「薬局に対する新型コロナウイルスの影響は」をテーマに、薬樹 HD 株式会社 執行役員、株式会社プレサスキューブ取締役 金指 伴哉氏 が解説します。
「新型コロナウイルス感染症により患者が受診を控えた結果、大きく処方箋の受付回数が減少した」と言われています。実際に薬局には以下のような影響があったことがデータより確認できました。
① 小児の急性処方※1が減少
慢性処方※2と急性処方に分類して受付回数を年代別に比較すると、小児科を受診する世代である 0歳から9歳までの急性処方が減少していることがわかりました。
② 慢性処方が長期化
新型コロナウイルスの第一波と重なる2020年4月のピークには処方箋の受付回数が減少し、継続して服用する医薬品が多い慢性処方では処方の長期化が起こったと考えられます。それ以降は年末年始やゴールデンウィークに合わせて例年通りの処方が長期化されていると言えます。
③ 在宅処方が増加
直近 1 年間の在宅処方の処方箋受付回数は前年と比較して約20%増加しました。このように、データを活用して変化を正しく把握することで、今後、薬局が取るべき対応が仮説として見い出せま す。また、その仮説に対して実行した取組みの効果についても、データで検証することが重要です。このようなサイクルで継続的に学習していくことが、一歩先の将来を見据えた薬局経営へとつながっていきます。
※1 外傷やインフルエンザのように急な症状に処方されるもの
※2 糖尿病や高血圧など長期間かけて治療する症状に処方されるもの
*データ・ロジックは全て(株)プレサスキューブが運営する BHI 統計データを使用