薬局のデジタルシフト・
ICT選択のポイントは

多くの選択肢がある中で薬局はどのようにICTを活用していくと良いでしょうか?

2023年4月12日公開

今回は次から次に登場するICTの選択肢がある現状から「薬局におけるICT活用の考え方」を整理していきます。

薬局におけるさまざまなICTの登場

今回は一歩先の薬局経営をテーマに薬局のデジタルシフトについて取り上げます。
オンライン資格確認・電子処方箋・オンライン服薬指導・電子お薬手帳・処方箋送信アプリ等、薬局におけるICT(Information and Communication Technology)環境が目まぐるしく変化しています。さまざまなICTの選択肢がある中で薬局はどのようにICTを活用していくと良いでしょうか。「薬局におけるICT活用の考え方」を整理していきます。

新型コロナウイルスによるICT導入の加速化

令和2年の0410通知「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を機に診療および服薬指導における対面原則が時限的に緩和されました。これを機にオンライン服薬指導のICTを導入された薬局も多いのではないでしょうか。その後もオンライン診療やオンライン服薬指導に関する案内を目にする機会が増えてきました。数年前までほとんど目にする機会がなかったことからICTの普及は新型コロナウイルスが流行しなくてもそのうち起こる変化が「一気に加速」した事例と言えるのではないでしょうか。

データヘルス改革の進捗

遡ると平成29年「データヘルス改革推進本部」が設置され医療ICTの活用における課題が明確にされました。そこからさまざまな議論を経て、直近では令和2年「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プランについて」において3つのアクション(全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大、電子処方箋の仕組みの構築、自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大)が示されました。次いで令和3年「データヘルス改革に関する工程表について」において、マイナポータル等を通じて自身の保健医療情報を把握できる仕組みやその情報を医用期間や介護事業所でも閲覧可能とする仕組みを構築する工程(期日)が明確にされました。

データヘルス改革で変わるヘルスケアの未来(厚生労働省 政策統括官付情報化担当参事官室 笠井南芳氏)
https://www.chisou.go.jp/tiiki/toshisaisei/mini_symposium/20211216/02_r3dai3kai_01kourousyou_kouensiryou.pdf
〈参考〉
新たな日常にも対応した データヘルスの集中改革プランについて(令和2年厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000653403.pdf
データヘルス改革に関する工程表について(令和3年厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000788259.pdf

ICTの環境変化

直近では電子処方箋の運用が令和5年1月26日に開始されました。突然始まったかのように受け取る方もいらっしゃるかもしれませんが、上記の流れを経て工程通りに進捗していることがわかります。このあたりの流れはざっくりとでも構いませんので一度目を通しておくことをお勧めします。また、新型コロナウイルスの流行により医療情報の一元化や医療資源の共有の必要性が高まっているように、データヘルス改革の工程についても合意が得られやすくなっていることを感じます。

ICTの選択におけるポイント

このようにウィズコロナ・ポストコロナの時代を見据えた環境の変化により、薬局におけるICT活用の重要性が増していることを誰もが感じているのではないでしょうか。ではそのニーズに応えるために、薬局はどのようにICTを「選択」して、それを「活用」していくと良いのでしょうか。

さまざまなICTの選択肢があるなかで、まずは3つに分類するとわかりやすいと考えています。①導入が義務化されたもの、②患者さんが選択するもの、③薬局が選択するものに分かれます。「オンライン資格確認」は導入が義務化されていますので①に該当しますので、②③に分類されるICTをどのように選択していくのかがポイントになります。

患者さんにどのような価値を提供したいか

私は「②患者さんの選択」を中心に考えると良いと考えています。例えば「電子処方箋」の利用は患者さんが医療機関や薬局の受付時に選択することになります。自ら「電子処方箋」を選択する患者さんもいらっしゃると思いますが、薬局が「電子処方箋」を患者さんにお薦めできるか次第でその薬局は「電子処方箋」が普及するか決まることになると思います。

そして「電子処方箋」を患者さんに選択いただいた先に「どのような価値を患者さんに提供できるか」(=患者さんに自薬局を選んでいただく差別化)がポイントになります。その価値の提供にまた新たなICTの活用が見えてくると考えています。「電子処方箋」のみを切り出して考えるのではなく、患者さんに次回のお薬を提供するまでを1つの単位として、連続した患者さんとのコミュニケーションの充実にICTの活用を検討できると良いのではないでしょうか。現状の薬局業務の延長線上でICTを活用するというより、「患者さんに提供したい価値」の実現のために現状の薬局のオペレーションを変える必要すらあるかもしれません。

一歩先の薬局経営

薬局におけるICT活用の社会ニーズは日々高まっています。また、オンライン資格確認の義務化や補助金の申請など次々提示される案内をキャッチするだけでも慌ただしく感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そのような環境下において、一度ICTを活用して患者さんに提供したい価値について「大きな絵」を描いてみてはいかがでしょうか。その大きな絵を実現するためには現状の薬局のオペレーションまでも変えていくこと必要があるかもしれません。そのような取組みを自ら選択し、トライアンドエラーを繰り返しながらデジタルを活用する薬局へシフトしていくことが一歩先の薬局経営といえます。

執筆者プロフィール

金指 伴哉

薬樹HD株式会社 執行役員
株式会社プレサスキューブ 取締役

2001年 東京薬科大学を卒業後、薬樹株式会社入社
2012年〜2020年 薬樹健ナビ株式会社 代表取締役
2016年〜現在    株式会社プレサスキューブ 取締役
2018年~現在    薬樹HD株式会社 執行役員

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