「何となく忙しい」を卒業しませんか?業務を可視化し、改善すべき課題を明確にする現状把握の具体的な方法を解説します。
2025年12月24日公開
前回の記事では、業務効率化を成功させるために「現状把握」が最も重要なステップであることをお伝えしました。しかし、「現状把握が大切なのはわかったけれど、具体的に何をすればいいの?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。
本記事では、現状把握の具体的な実践方法を解説します。業務を可視化する3つの視点、簡易的な記録方法、データから課題を特定する手順まで、明日から取り組めるステップを紹介します。
この記事を読めば、「何となく忙しい」という感覚を卒業し、データに基づいて改善すべき課題を明確にできるようになります。そして、自薬局に最適な解決策を選ぶための土台が整います。
▼ 前回の記事はこちら
前回の記事でお伝えしたとおり、業務効率化は「現状把握」から始まります。現状を把握せずに解決策を選ぶことは、地図を見ずに目的地を目指すようなものです。
現状把握によって、以下のことが明確になります。
どの業務に最も時間がかかっているか
これらが「見える化」されることで、優先的に改善すべき課題が浮かび上がり、的確な解決策を選ぶことができます。また、スタッフの納得と協力を得るための土台にもなります。
では、具体的にどのように現状を把握すればよいのでしょうか。
業務の実態を把握するには、以下の3つの視点で業務を見ることが重要です。
最も基本的な視点が「時間」です。1日の業務時間の中で、各業務にどれだけの時間を使っているかを把握します。時間を記録することで、「薬歴記載に1日平均2時間かかっている」「報告書作成に毎回30分以上かかっている」「受付・入力作業に1件5分かかっている」といった具体的な実態が数値で見えてきます。
この「見える化」によって、以下のことが明確になります。
どの業務が最も時間を消費しているか
時間のかかっている業務ほど、効率化による効果(削減できる時間)が大きくなります。つまり、時間は「投資対効果の高い改善点」を見極めるための最重要指標なのです。
次に重要なのが「属人化度」です。特定のスタッフしかできない業務が多いと、その人が休んだときに業務が回らなくなったり、負担が一人に集中したりするリスクがあります。
各業務について、以下の3段階で評価してみましょう。
A:誰でもできる
マニュアルがあり、新人でも対応可能
B:一部の人しかできない
経験者のみ対応可能
C:特定の人しかできない
その人がいないと業務が止まる
B・Cが多い業務ほど、マニュアル化や標準化が必要です。また、システム化によって誰でも対応できるようになる余地があります。
最後の視点が「ミス・手戻り」です。同じミスが繰り返し発生している業務や、手戻り(やり直し)が多い業務は、大きな非効率を生んでいます。
たとえば、以下のような例があります。
処方箋入力ミスによる調剤のやり直し
ミスや手戻りが多い業務は、システムによる自動化やチェック機能の導入で大幅に改善できる可能性があります。
それでは、現状把握の具体的な手順を見ていきましょう。完璧を目指さず、「おおよその実態」をつかむことが目的です。
まず、薬局で行っている主要な業務をリストアップします。以下のような業務が一般的です。
処方箋受付・入力
業務内容は薬局によって異なるため、自薬局の実態に合わせてリストを作成しましょう。
次に、1〜2週間程度、各業務にかかった時間や発生頻度を記録します。
記録する項目は以下の3つで十分です。
また、ミスや手戻りが発生した場合は、その内容もメモしておきましょう。
完璧を目指す必要はありません。「薬歴記載は1件あたり10〜15分くらい」「報告書作成は1件30分以上かかる」といった「おおよその実態」が掴めれば十分です。
「CARADA 電子薬歴 Solamichi」の運営分析機能を活用すると、薬歴記載にかかっている時間を、グラフを用いて視覚的に把握したり、表形式で出力することができます。

記録したデータを見て、課題を特定します。優先順位をつける際は、「効果(削減できる時間)×実現性(改善の難易度)」のマトリクスで整理するのがおすすめです。
よくある課題パターンとしては、以下のようなものがあります。
パターン1
薬歴記載・報告書作成に時間がかかりすぎ
薬歴記載や報告書作成は、薬剤師の業務の中で大きな時間を占めています。「1件あたり15分」「1日2時間」といった実態が見えれば、AI音声入力やテンプレート機能を持つシステムの導入で大幅な時間短縮が期待できます。
パターン2
業務が属人化し、特定のスタッフに負担が集中
「在宅対応はAさんしかできない」「発注業務はBさん任せ」といった属人化が進んでいる場合、マニュアル化や業務の標準化が必要です。また、システム化によって誰でも対応できる体制を整えることも有効です。
パターン3
受付・会計での待ち時間が患者満足度を下げている
受付や会計で患者さんを待たせてしまうことが多い場合、デジタルサイネージや自動精算機の導入で、待ち時間を短縮し、患者満足度を向上させることができます。
現状把握によって課題が明確になったら、次は「どんな解決策があるか」を知ることが重要です。しかし、カタログやWebの情報だけでは、「自薬局に合うかどうか」を判断するのは難しいものです。
実際に触れて体感することで、導入後のイメージが具体的になり、自薬局に合う解決策を見極めることができます。
受付・会計
受付・会計連携システムを活用し、患者さんを待たせないスマートな受付と、非接触かつスムーズな会計を実現。受付・会計での待ち時間を短縮するとともに、デジタルサイネージで待ち時間を価値ある情報提供の場に変えます。
AI音声入力による薬歴作成
電子薬歴のAI音声入力機能を体験できます。服薬指導中の会話から薬歴を自動生成するため、薬歴記載にかかる時間を大幅に削減でき、大きな効果を実感できるでしょう。
その他の業務効率化システム
在宅支援システムによる報告書作成の自動化や、ピッキング監査システムによるミス防止など、さまざまな業務効率化のソリューションを体験できます。
ソラミチのシステムを無料でデモ体験していただけます。
業務効率化を成功させるためには、まず現状把握によって課題を「見える化」することが不可欠です。本記事でご紹介した3つの視点(時間・属人化度・ミス)で業務を可視化し、データから課題を特定しましょう。
課題が明確になったら、次のステップは「実物に触れて、自薬局に合う解決策を見極める」ことです。全国で開催されている体験会では、最新の薬局DX機器を実際に操作し、業務フローの変化を体感できます。
現状把握から解決策の選定まで、一つひとつのステップを着実に進めることで、業務効率化を実現することができます。
この記事の筆者

大学卒業後、薬剤師として薬局に8年間勤務。管理薬剤師として現場のマネジメントも経験する。その後、地方自治体へ転職し、公務員薬剤師として薬事行政業務に携わる。
現在は薬剤師ライターとして、薬局業務に関する情報をお届けしています。薬局での現場経験と、行政側から薬局を見てきた経験という二つの視点を活かし、制度解説から経営改善、さらには日々の業務効率化やスキルアップまで、薬局の実務に直結する情報をわかりやすく伝えることを大切にしています。