「立地戦略」の時代は終わった――門前依存モデルの崩壊

かつて薬局経営は、好立地を押さえ、処方箋を“受け取る”だけで成立していました。いわば「門前の場所取り競争」こそが戦略の中心でした。

しかし今、その土台が急速に崩れています。

  • 収益率の低下
    調剤報酬・薬価は引き下げが続き、営業利益率はわずか5%台。1点の減額が経営を左右する構造です。

  • 固定費の上昇
    人件費・光熱費・IT投資が膨らみ、固定費は年々上昇。物価高も重なり、さらに利益を圧迫しています。

  • 処方箋枚数の減少
    1薬局あたりの処方箋枚数は頭打ち。オンライン診療の普及で、「来局しない患者」も増え始めています。

  • 人材不足(特に幹部候補の不在)
    管理薬剤師になりたがらない若手。キャリアの閉塞感による離職も増え、組織力の低下を招いています。

立地に依存していたモデルでは、利益も人材も守れない時代に突入しています。


“薬を渡して終わりという時代”の終焉――患者像の劇的な変化

さらに10年前と比較すると、社会環境同様に患者像も大きく変化しました。

患者像

10年前

現在

高齢者の割合

約23%

約29%

健康課題

単一疾患が中心。通院で完結。

複数疾患・慢性疾患が増加。医療と生活が一体化。

服薬意識

貰った薬を飲む

安心して飲みたい

薬局の選び方

病院・クリニック近くの薬局へ。

オンラインも含め、複数から選んで来局。

高齢化・複合疾患・オンライン診療の進展により、患者が薬剤師に求める役割は劇的に変化しました。“薬を渡す人”から、“健康を支える人”へ。この変化に応えられるかどうかが、薬局の生死を分けます。

変化に応える唯一の道──薬剤師の育成

経営を揺さぶる構造変化と、患者のニーズ変化。この両方に対応できる人材がいなければ、薬局は取り残されます。制度や市場は経営者の力では変えられません。

しかし――「人材」だけは、経営者の意思で変えられます。

従来の「薬を正確に渡す人」から、複数疾患・多剤投与を俯瞰し、患者の生活背景に踏み込み、医師や多職種と対等に連携し、在宅・オンライン・地域のあらゆる場面で“選ばれる薬剤師”へと進化できるかどうか。この役割転換こそが、薬局経営を未来へ導く唯一の戦略です。

その答えが──国内屈指の総合診療医育成プログラムを手がける 藤田総診(藤田医科大学 総合診療プログラム) が全面監修する「スーパー薬剤師育成プログラム」 です。現役総合診療医が直接指導し、1年間・全24回の体系的なカリキュラムで、臨床力、多職種連携力、マネジメント力を兼ね備えた“次世代の薬剤師”を育成します。

スーパー薬剤師育成プログラム概要

期間 2026年4月~2027年3月までの1年間

実施 2026年:3/24 4/7,21 5/12,26 6/9,23 7/7,21 8/4,18 9/8,29 10/13,27 11/10,24 12/8,22
    2027年:1/12,26 2/9,16 3/2,16

形式 オンライン※初回(3/24)および最終回(3/16)のみ東京での対面研修
講義 全24回(1回90分)※見逃した方に向けたアーカイブ配信有

定員 先着30名
費用 1,000,000円

薬剤師を“進化”させて経営課題を解決する

スーパー薬剤師育成プログラムで学べる内容

01 患者の“全体像”を捉える力

単一疾患中心だった時代から、複合疾患・慢性疾患の時代へ。患者の生活・価値観・地域背景まで含めた総合診療的な視点を身につけ、医療の“縦割り”を超えて支援できる人材に育てます。

  • 多疾患併存の全体像を俯瞰し、診断がつかない状況でも柔軟に対応

  • バイオサイコソーシャルモデルで暮らしと心を捉える

  • 倫理観・地域包括ケアの視点を持ち、医療と生活をつなぐ

02 医師と対等に議論できる臨床・薬物治療力

制度や薬価ではなく、知識と判断力で差がつく時代へ。
慢性疾患マネジメントやCKD・心不全・COPDなどの領域で、医師の処方意図を読み解き、適切な薬剤提案・調整ができる力を養います。

  • ガイドライン+個別化を両立した処方理解

  • フレイル・認知症・緩和ケアへの的確な対応

  • 副作用リスクを最小化する薬剤設計

03 医療・介護をつなぐ多職種連携力

オンライン・在宅・地域医療が進むなか、薬剤師が他職種とどう連携できるかが経営の分かれ道。
医師・看護師との信頼関係を築き、カンファレンスで発言力を発揮できる薬剤師を育成します。

  • 医師との認識ギャップを埋める対話力

  • 看護師との情報共有による服薬支援の精度向上

  • 地域包括ケアの現場で実践できる連携スキル

04 “その人らしさ”に寄り添う患者支援力

服薬フォローの中心が「正確な情報」から「患者理解」へと移るなか、薬剤師には患者の語りを引き出し、価値観に寄り添う力が求められます。

  • ナラティブアプローチや面接法(MI)による行動変容支援

  • 在宅訪問で見える生活背景を活かした実践

  • 「正しさ」ではなく「納得」を生むコミュニケーション

05 経営を支えるマネジメント・リーダーシップ

制度や薬価を待つのではなく、自ら経営構造を作る人材へ。会計・業務設計・マーケティング・リーダーシップを体系的に学び、薬局の未来を担える薬剤師を育てます。

  • 多疾患併存の全体像を俯瞰し、診断がつかない状況でも柔軟に対応

  • バイオサイコソーシャルモデルで暮らしと心を捉える

  • 倫理観・地域包括ケアの視点を持ち、医療と生活をつなぐ

講座を支えるプロフェッショナルな面々

プログラム責任者 大杉泰弘 藤田医科大学 総合診療科 教授

総合診療教育の第一人者であり、地域医療改革を牽引するリーダー。臨床経験を重ねた後、2015年に藤田医科大学で「総合診療プログラム(藤田総診)」を創設。専攻医は2019年12名から2023年には31名へと急増し、総合診療医の育成モデルを確立。地域中核病院を「コミュニティホスピタル」へ再編し、医療の社会インフラ化を実現。MBA取得後は教育×経営×臨床を融合させた新しい医療モデルを展開。2023年にはグロービス経営大学院「創造部門アルムナイ・アワード」受賞、その企画力と人間的魅力は業界内外で高く評価されている。

モデレーター 岡田浩 京都大学大学院医学研究科 特定教授

教育現場から薬学に転じた異色の経歴を持ち、日本で初めて薬局薬剤師による臨床研究に着手した先駆者。2011年に開始したCOMPASS研究では、薬剤師の短時間介入によってHbA1cを0.4%改善する成果を示し、国際学会でも高い評価を受けた。2013年には研究成果を著書「スリースターファーマシスト」として出版し、2018年には京都大学大学院で博士号(健康社会医学)を取得。カナダ留学で国際的視野を広げ、科学的根拠と実践知の両面から薬局薬剤師による療養支援を牽引する業界の第一人者。

プロデューサー 糸賀誠 マイライフ株式会社 代表取締役

1962年島根県出雲市生まれ。大学卒業後、医薬品卸売業の王水堂薬品(現エバルス)に入社し、広島・呉地区で11年間にわたり医療現場を支える営業職に従事。その後、1997年に有限会社マイライフ(現マイライフ株式会社)を創業し、翌月には「オール薬局」吉浦店を開局。以来、中国地方を中心に40店舗以上の薬局を展開し、在宅医療支援や薬剤師育成にも注力している。2019年には、予防から治療までをワンストップで提供する日本初のヘルスケア複合施設「オールファーマシータウン」を呉市に開設。地域包括ケアの先進モデルとして高く評価されている。地域医療の未来を見据え、薬局の新しい価値創造に挑み続けるリーダー。

薬剤師が変われば、薬局の未来は変わる。地域医療の主役へ。

薬局経営を揺さぶる構造変化と、患者ニーズの劇的な転換。この2つに真正面から応える「スーパー薬剤師」の育成は、単なる教育施策ではなく、経営と地域医療を同時に変える一手です。

もし、このまま何も変えなければ──。

処方箋は減り、患者像は変わり、人材は育たないまま。薬局は、静かに競争から脱落していきます。逆に、薬剤師が役割を変え、現場を変えれば、薬局は再び地域で選ばれる存在になれるはずです。その変化を生み出す力が、このプログラムにはあります。

経営・現場・地域──薬剤師の成長が、すべてを動かす

プログラム卒業後に得られるもの

01 経営が変わる ― 収益構造の再設計
  • 糖尿病・心不全管理など新設された対人加算(60点)をはじめ、1件あたり+αの積み上げがPLを直撃

  • 門前依存から脱却し、地域連携・在宅・オンラインでも“選ばれる薬局”

  • 薬剤師が提案・連携の主導権を握ることで、制度を攻めの武器に変える

02 現場が変わる ― 薬剤師が力を発揮できる組織に
  • 「在宅や多職種連携で活躍できる」キャリアが、若手薬剤師の離職を防ぎ、定着と成長を促進

  • 医師・看護師と対等に議論できる知識と視点を持つことで、現場の停滞感が突破される

  • 薬局が“人で勝つ”組織へと進化

03 社会が変わる ― 地域医療のラストワンマイルを担う
  • 複数疾患・多剤併用の患者を支え、副作用を防ぎ、安心して暮らせる地域をつくる

  • 薬剤師が医療と生活の橋渡し役となり、地域包括ケアの中核を担う

  • 薬を渡すだけの存在から、“地域の健康を支える主役”へ

薬剤師を育てる決断は、経営の未来を変える戦略。

経営環境が厳しさを増し、患者のニーズも大きく変わる中、制度や市場の追い風を待っていては、薬局は生き残れません。薬剤師が変わることこそが、収益構造を変え、組織を変え、地域に必要とされる薬局をつくる一手です。

経営の成果、現場の変化、社会的な意義──そのすべてを同時に実現できるのは「人」の力だけ。

薬剤師が変われば、薬局が変わる。薬局が変われば、地域医療の未来は動き出します。

制度は変えられない。市場も変えられない。変えられるのは、人だけ。

10年前、薬局経営の主戦場は“立地”でした。処方箋を受け取る場所を押さえれば、経営は自然と回っていった。しかし今、その構造は根本から変わろうとしています。

調剤報酬は減少し、処方箋は減り、患者像は複雑化。オンラインや在宅の広がりで、“待っているだけ”の薬局は選ばれなくなりました。市場も制度も、もう経営を守ってはくれません。

だからこそ、「薬剤師を育てる」という経営判断が未来を分けます。

制度や市場は変えられなくても、人材だけは経営者の意思で変えられる。患者の生活と医療をつなぐ力を持つ薬剤師がいれば、薬局は収益構造も地域での役割も変えられます。

よくある質問(FAQ)

プログラムの基本情報に関する質問

Q:講義のスケジュールは決まっていますか?シフト制でも受講できますか?
A:講義スタートは2026年4月から。月2回(1回1時間半)×1年間 全24回のオンライン講義です。講義日程は事前公開。講義開始時刻は基本18時以降のため、勤務後に受講することができます。参加できない場合もアーカイブ視聴が可能です。

Q:対面開催はありますか?会場はどこになりますか?
A:初回・最終回のみ、親睦もかねて東京または愛知での対面研修を予定しています。交通・宿泊費は各自ご負担となりますが、日程を早めに共有しますので計画的な参加が可能です。

Q:対象者はどのような薬剤師ですか?経験年数やポジションの制限はありますか?
A:経験や役職は問いません。若手の育成にも、管理薬剤師・中堅層のステップアップにも対応できる構成です。1法人で複数名の受講も可能です。

プログラム内容に関する質問

Q:プログラムの詳細が決まっていたら教えてください
A:現時点では以下のような内容を想定しております。※参加者属性に応じて変更する場合があります。
▶総合診療的視点・思考法(Generalist Mindset)
・予防医療とヘルスメンテナンス ― 薬剤師による一次予防への介入
・バイタルサインによる臨床判断の基盤形成
・診断推論アプローチで読み解く症候と薬物療法
・臨床倫理の思考枠組み ― 倫理的ジレンマへの実践的対応
・バイオサイコソーシャルモデルと患者中心の医療の実装
・ナラティブアプローチによる患者理解と医療的介入の深化
・未分化な健康問題への対応 ― プライマリ・ケア的視点の導入
・地域住民へのヘルスプロモーション ― 薬局主導の教育活動デザイン
・SDH(健康の社会的決定要因)と社会的処方の実践モデル

▶ 病態と薬物治療への理解(Clinical × Pharmacology)
・疼痛管理の臨床戦略 ― 急性・慢性疼痛への薬理学的アプローチ
・処方意図の読み解きと臨床的判断力の涵養
・緩和ケアにおける疼痛マネジメントと薬理学的基盤
・睡眠薬・抗不安薬の適正使用と離脱支援の実践知
・トリアージとセルフメディケーション支援 ― OTC薬活用による初期対応能力の強化

▶多職種連携とチーム医療(Team-based Care)
・地域包括ケアにおける薬剤師の役割とシステムデザイン
・多職種カンファレンスでの発言力と臨床的貢献の高め方
・在宅医療における薬剤師の臨床判断と多職種連携戦略
・災害医療における薬剤師の実践知と地域対応力

▶実践スキル・地域活動・教育(Applied Practice)
・レジデント・アズ・ティーチャーズ ― 教育者としての薬剤師の役割形成
・※※希望者限定※※総合診療医との同行研修 ― 実臨床での思考と実践の統合

▶薬剤師のためのマネジメント講義(Management for Generalist-minded Pharmacists)
・医療アカウンティングの基礎 ― 経営視点を持つ薬剤師へ
・薬局オペレーションマネジメント ― システムとしての現場改善
・地域医療とマーケティング ― 薬局の社会的価値を高める戦略
・薬剤師の影響力戦略 ― 院内外におけるリーダーシップ発揮
・アントレプレナーシップと医療変革 ― 薬局から未来を創る

Q:座学だけでなく、実践的な内容もありますか?
A:内容は上述の通りです。多領域を横断し、医療の知と実践を結ぶ現役総合診療医が、実際の症例やカンファレンスを題材にしながら、臨床・多職種連携・マネジメントを徹底的にトレーニングします。座学中心ではありません。

Q:学んだ内容は、外来や在宅など日常業務に本当に役立ちますか?
A:プログラムの設計は「明日から現場で活かせること」が前提です。服薬フォロー・在宅・疑義照会・連携など、具体的な場面での実践力が身につきます。希望者は藤田総診の医師との同行による実地演習も可能です。

Q:他社の薬剤師研修と何が違うのですか?
A:経営・臨床に加え、総合診療的視点と多職種連携を一気通貫で学べる、これまでにない体系的なプログラムです。国内有数の総合診療医育成実績を持つ藤田総診で教育プログラムを構築してきた大杉教授が監修した、現場と経営をつなぐ実践的な学びを実現します。

費用・投資対効果に関する質問

Q:受講料はどのくらいですか?補助金の利用は可能ですか?
A:受講料は税込1,000,000円です。補助金・助成金の活用が可能な場合があります。詳細はお問い合わせください。

Q:費用対効果はありますか?
A:単なる加算回収ではなく、薬局のビジネスモデルを“対人中心”へ転換する長期投資です。収益構造・人材・地域からの評価まで、薬局経営の基盤を変える力を持つ人材を育てます。短期のROIだけでなく、未来の経営の「柱」を築くプログラムです。

Q:受講者が途中で退職した場合はどうなりますか?
A:受講権の譲渡や法人単位での受講管理も可能です。詳細はご相談ください。

プログラムの基本情報について

Q:次回開催はありますか?今受講しなくても大丈夫ですか?
A:本プログラムは定員30名限定・年1回開催です。人材育成は一朝一夕ではなく、1年後に差がつくのは「今」動いた薬局です。

Q:忙しい現場の中で本当に受講時間を確保できますか?
A:現場の負担ではなく、現場を前進させる時間として設計しています。アーカイブ配信で柔軟に受講でき、複数名で分担しながら実践に落とし込むことが可能です。「忙しい薬局こそ受ける価値がある」プログラムです。

Q:導入に迷っています。相談だけでも可能ですか?
A:もちろん可能です。法人の状況に応じて、対象者や受講の進め方などを個別にご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。

未来を変えるのは、あなたの決断だけ。

このプログラムは、制度改定を“待つ側”ではなく、“動かす側”になるための第一歩です。薬剤師が変われば、薬局が変わる。薬局が変われば、地域医療が変わる。その変化の起点に立てるのは、経営者の意思だけです。

本プログラムは 定員30名限定。すでに多くの法人から問い合わせをいただいています。次に動くのは、あなたの薬局か、それとも競合か。この一歩が、数年後の経営の明暗を分けます。

今こそ、未来への投資を決断してください。

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