【一歩先の薬局経営】
売上アップの第一歩は『見える化』から!
利益を増やす5つのステップ

「何から始めればいいの?」に答える、あなたに寄り添う経営のヒント。
明日からの行動を一緒に見つけましょう。

2025年10月15日公開

「売上を上げたいけれど、何から手をつければいいかわからない…」
「データは見ているつもりだけど、具体的な改善案に結びついていない…」

薬局経営者の皆さん、こんな悩みを抱えていませんか?

多くの薬局で陥りがちなのが、売上分析と現場の行動が結びついていない という落とし穴です。
処方箋枚数や技術料単価などの数字は把握していても、「具体的に何をすべきか」が見えず、
行動に移せないケースが少なくありません。

この記事では、売上分析で把握したKPI(重要業績評価指標)と現場の行動を結ぶ
具体的な方法を解説します。
売上改善と薬局の持続的な成長に向けた実践的なヒントを、ぜひ経営に活かしてください。

1. なぜ「売上アップ」は難しい?多くの薬局が陥る落とし穴

薬局の売上改善がうまくいかない理由のひとつとして、
売上の数字だけを追い、具体的な行動に結びつけられていない」 ことがあります。

例えば、前年より売上が下がった原因を「患者が減ったから」と片づけていませんか?
それが新規患者の減少なのか、リピート率の低下なのかで、取るべき対策は大きく変わります。

2. 薬局の売上改善は「2つの構成要素」の理解から始まる

売上という大きな目標(KGI:重要目標達成指標)を達成するためには、しっかりとした分析が不可欠です。

調剤での売上(KGI)を 「処方箋受付回数」「処方箋単価」 といった、より具体的なKPI(重要業績評価指標) に分解して管理することで、漠然とした悩みを具体的な課題へと変えることができます。

2-1. 売上=「処方箋受付回数」×「処方箋単価」

売上の構造を理解するために、まず基本的な構成要素を確認しましょう。
調剤での売上は、「処方箋受付回数」と「処方箋単価」という2つの要素で成り立っています。

  • 売上(円)= 処方箋受付回数(回)× 処方箋単価(円/回)
    • 処方箋受付回数(回) = 患者数(人) × 来局頻度(回/人)
    • 処方箋単価(円/回) = 技術料単価(円/回)+ 薬剤料単価(円/回)

この分解はシンプルに見えますが、改善策を考える上で重要な視点です。売上が下がった場合、処方箋の枚数が減ったのか、それとも1枚あたりの単価が下がったのかを明確に区別することで、取るべき対策が大きく変わるからです。

この構造を理解することで、「売上を上げるために何をすべきか」という漠然とした課題を、「処方箋枚数を増やすために何をすべきか」「処方箋単価を上げるために何をすべきか」という具体的な課題に細分化できるようになります。

2-2. 処方箋受付回数を増やす2つのカギ:
   「新規患者の獲得」と「既存患者の定着率アップ」

処方箋受付回数を増やすには、「新規患者の獲得」と「既存患者の定着率」の両面から状況を見極めることが必要です。

  • 新規患者を増やす具体的な施策例
    • 看板やチラシの見直し
    • 地域の健康イベントへの参加・薬剤師による健康相談の実施
  • 既存患者の定着率を上げる具体的な施策例
    • 待ち時間短縮のための業務フロー見直し
    • かかりつけ薬剤師としての継続的なフォロー体制の構築

あなたの薬局は、どちらの課題を抱えているのでしょうか?「新規患者数」と「定着率(リピート率)」を分けて把握することが処方箋枚数アップのための第一歩です。

2-3. 技術料単価と薬剤料単価、それぞれの特徴と改善ポイント

処方箋単価についても、さらに詳しい分析が可能です。処方箋単価は「技術料単価」と「薬剤料単価」に分けて考えることができます。

  • 技術料単価の改善例
    • かかりつけ薬剤師指導料の積極的な算定
    • 在宅患者訪問薬剤管理指導料への取り組み
    • 地域支援体制加算の施設基準への対応

技術料単価は、薬局での工夫や取り組み次第で大きく改善できます。
これらは薬局の運営方針と密接に関わる部分でもあります。

一方、薬剤料単価は、処方内容に大きく左右されるため、薬局で直接コントロールすることは困難です。
しかし、薬剤料の変動は売上全体に大きく影響するので、変動を把握することは経営上非常に重要です。

「CARADA 電子薬歴 Solamichi」では、売上要因を分解して表示することができます。

3. 売上アップを成功させるための5つのステップ

売上の構造を把握したら、いよいよ改善に向けたアクションへつなげましょう。ただし、やみくもに対策を打つのではなく、「分析→計画→実行→検証」の流れを意識して取り組むことが重要です。

この章では、分析で得た気づきを現場の行動に落とし込み、継続的に成果を上げるための具体的な5ステップをご紹介します。

3-1. ステップ1:現状把握・分析で課題を特定

売上アップの出発点は、現状を客観的に把握することです。まず、過去1年間の売上推移を「処方箋受付回数」と「処方箋単価」に分けて分析しましょう。

  • 具体的な分析の例
    • 処方箋枚数と単価の推移(グラフ化して季節変動を把握)
    • 新規患者数と定着率の変化
    • 技術料加算の取得状況(算定率が低い加算がないか確認)

3-2. ステップ2:売上と利益のKPIを設定

次に、改善すべき指標をKPIとして設定します。ここでのポイントは、KPIを「いつまでに、何を、どれくらい改善するか」と具体的な数値として表現することです。

  • KPI設定の具体例
    • 3ヶ月後に新規患者数を月20名→30名に増加
    • 2ヶ月後にかかりつけ薬剤師指導料算定率を30%→40%に向上
    • 6ヶ月後に既存患者のリピート率を70%→80%に改善

さらに、KPIは現実的かつ、測定可能なものを設定しましょう。明確で達成可能なゴールに向かって行動することで、現場のモチベーションを高めることができます。

3-3. ステップ3:KPI改善のための具体策を立案

設定したKPIを達成するために、現場のスタッフが実際に実行できる具体的な行動計画を立案します。この段階では、「誰が、いつ、何を、どのように行うか」まで詳細に決めることがカギです。

  • 行動計画の具体例
    • 服薬指導で、薬剤師全員がかかりつけ薬剤師制度について1日3人に説明
    • 月1回、全スタッフでリピート率向上のためのサービス改善会議を実施

重要なのは、実行するための環境整備も同時に行うことです。必要なツールや資料の準備、業務フローの見直しなど、計画が確実に実行できる土台を整えることで、計画倒れを防ぐことができます。

3-4. ステップ4:施策実行と小さな成功の積み重ね

計画を実行に移し、成功体験を積み重ねながら改善を進めていきます。この段階では、完璧を求めすぎずに、「小さな改善の積み重ね」を大切にしていきましょう。

  • 効果的な進め方
    • 週1回の短期的な評価を実施
    • 月1回の詳細な検証を行う
    • 最初から完璧を求めず、「できたこと」に目を向ける
    • 小さな成功体験を積み重ねてスタッフのモチベーション向上につなげる

3-5. ステップ5:効果検証と次の施策への活用

改善行動がうまくいったかどうかは、検証して初めて見えてきます。

  • 検証すべき項目
    • KPI達成の有無
    • 達成した/しなかった理由
    • 次に取り組むべき優先事項

この検証結果を踏まえて、また次の現状把握とKPI設定を行います。状況の変化や新たな課題の発見により、取り組むべきことが変わる可能性もあるため、固定観念にとらわれずに柔軟に対応することが大切です。

4. まとめ:明日からできる売上改善の第一歩

この記事では、調剤での売上アップを実現するためのアプローチを5つのステップで解説してきました。

  • ステップ1:現状把握で課題を特定する
  • ステップ2:KPI設定で具体的な目標を立てる
  • ステップ3:具体的な行動計画を立てる
  • ステップ4:計画実行で小さな成功を積み重ねる
  • ステップ5:効果検証で次につなげる

調剤売上は、「処方箋枚数」と「処方箋単価」という2つの要素に分解することで、課題の所在が明確になります。
そして、「分析→計画→実行→検証」のサイクルを回すことで、数字を現場の行動に変換し、着実に成果を積み上げていくことが可能です。

今日から始められること

  1. 直近3ヶ月の処方箋受付回数と単価をグラフ化する
  2. 1つの小さな改善目標を設定する
  3. 週1回、15分の振り返り時間を作る

売上改善は一朝一夕では実現できませんが、正しいアプローチで継続的に取り組むことで、必ず成果に繋がります。患者さんにより良いサービスを提供しながら、薬局の持続的な成長のために、ぜひこの記事の内容を実践に活かしてください。

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在宅訪問をきっかけに『CARADA 電子薬歴』に切り替え。

患者さんや医師とのコミュニケーションを大切に、在宅業務でより効果的な薬学的側面からの支援を実現。往診同行でも情報がすぐに確認できるクラウド型の電子薬歴が必須。書類管理などの在宅業務を効率化して、薬剤師としての成長とやりがいを実感。

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