Solamichi魂

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ピンチは、チャンス!

2020年から、ソラミチシステム社内向けに発信しておりました「ソラミチ魂」を公開いたします。

田浦です。

本日は、
「ピンチは、チャンス!」
をテーマに書きたいと思います。

仕事をしていると、「まずい、これはピンチだ」と
思うことってよくありますよね。

中でも、クレームはその最たるものではないでしょうか。

個人的に、クレームが起きたときの対応や考え方は
成果を上げる人とそうでない人の差が顕著に出るのではないかと思っています。

昨年、私の携帯に1本のメッセージが届きました。

「ソラミチを解約したいと思います」

このメッセージは、ある地方のチェーン薬局の専務からでした。

まずいことになったと思い、すぐに電話をしました。

この薬局への導入経緯が結構大変だったこともあり、
大事になるかもしれないと思ったのです。

もともと、この薬局は薬歴の未記載が大きな課題でした。

ソラミチはまだ完成前ながら、必死に提案を重ね、
薬歴のリース期間が残っていたにもかかわらず、
ソラミチの可能性を信じてご購入いただいた薬局でした。

専務としては、
「ソラミチを導入して薬歴の未記載がなくなるなら!」
ということで、思い切って投資してくださったわけです。

複数店舗の契約締結まで私のほうで済ませ、
運用のところから担当営業に引き継ぎました。

そして、その1か月後に前述したメッセージが届いたのです。

「薬歴の未記載がなくなると思ったけど、全然減らない。
 我々が期待していたものではないので、解約したい。」

といった趣旨でした。

専務が言っていることはわかります。
高いお金を払って、何のためにソラミチを導入したのかという話ですよね。

経営者の私には痛いほど気持ちがわかりました。

ただこのまま、「そうですか。わかりました。」とは到底申し上げられません。

解決できると言って提案しているわけですから、
そんな無責任な営業はありえないですよね。

そのような対応をするくらいなら、販売を見送るべきだと思います。

私は、
 「現場の状況を私のほうで把握したうえで、
 改めて相談させてください」

とお願いをし、すぐに現場に向かいました。

ちなみに、引き継いだ担当営業が何もしなかったわけではありません。

いつも通りの現場に立ち会い、ソラミチの使い方の説明を行っています。

ただ足りなかったのは、顧客目線でした。

薬局の状況や相手の立場によって課題は違います。

今回でいえば、専務と同じ目線・同じアプローチで現場の薬剤師に
「薬歴を書いてください」と言っても何も解決できないということ。

「なぜ薬歴を書けないのか」を現場目線で考えない限り、
問題は平行線のままです。

私が現場に行って、まず最初にしたことは半日ずっと薬局にいて、
現場を観察することでした。

半日もいれば、見えてくることがあります。

・小児科が門前で処方箋の数が非常に多く、
 ピーク時、椅子に座れない患者さんもいて、ピリついている状態。
・在宅も多く持っていて、在宅の準備(一包化や、施設との段取り)で
 常にやらなきゃいけない作業がある。
・患者さんが待っている状態の時間がほとんどで、薬歴を書く暇がない。
・薬剤師は非常にバタバタしているが、事務員さんは比較的工数が空いている。
・投薬口が分かれていて、時間がない人向けの投薬口は狭く、パソコンがない。
 でも、その投薬口が一番稼働率が高い。

観察したことで、自分が同じ薬剤師の立場だとしたら、
 「この状態で薬歴をどう書けばいいの?」
と投げやりな気持ちにもなりそうだと感じました。

その現実を知ったうえで、薬剤師さんと面談する時間を設けて、
見学したうえでの感想や現場の薬剤師さんが抱えている悩みに共感しながら
話を聞いていきました。

たぶん、今まで誰も共感してくれず、「なぜ未記載の薬歴があるの?」という
アプローチしか受けてこなかったこともあったのだと思います。

その薬剤師さんは泣いていました。

面談していて、
・薬剤師さんも「未記載で構わない」とはみじんも思っていないこと。
・頑張りたい気持ちがある。ただ、手段が見つからなかったこと。
を知ることができ、一緒に頑張ることに同意してくれました。

それがわかれば、あとは全力でフォローするだけです。

一緒に現場に戻って、どうすれば薬歴を書ける環境を作れるか、
事務員さんとも一緒に考えました。

大きな変更として
・狭い投薬口(パソコンは置けそうにない場所)にiPadを設置する
・事務員さんが患者情報のメイン画面まで開くフローに変更する
ことに全員が同意してくれました。

まずは現場の薬剤師の方に「これならいける」という状態になってもらうことが大事です。

私は、専務に状況を報告し、「薬歴の未記載問題を責任をもって改善します」と約束し、
追加でiPadを購入してもらいました。

そこからは、現場と二人三脚です。
毎日、18時30分に私から薬局に電話し、状況を聞きました。

1週間後は、まだまだ未記載が7割残っている状態。

それでも毎日毎日、電話しては元気づけて、
2週間後には徐々に薬歴を記載できる状態まで成長。

そして、1か月後に初めて当日未記載を解消しました!

専務も社長も本当に心から喜んでくれて、
現場の薬剤師さんも自信を持ってくれました。

「ソラミチを使ったら当日未記載がなくなった」と他店舗にも噂が広がり、
横展開につながるきっかけになりました。

そのタイミングで、担当のスタッフに引き継ぎました。

スタッフは、本当に熱心にフォローしてくれ、現場からの信頼も非常に厚く、
今では多くの店舗まで横展開を実現してくれています。

私は初期の導入までしか関与していないので、
ここまで展開させてくれたのはスタッフの功績が非常に大きいです。

もし、最初のクレームの時点で諦めていたら、
今の成果はありませんでしたし、悪い口コミが広がっていたことでしょう。

システムのバージョンアップにおいても、
どんなに準備や想定していても、想定外の現象が起こってクレームが発生することがあります。

ただクレームは、我々の実力(対応力)をお客様に知っていただく絶好のチャンスです!

「やらされている」という感覚や「自分の責任ではない」という意識で対応するか?
それとも、迅速に、丁寧に、親身に、各部署と連携して対応するか?
で、お客様の評価は180度変わります。

コロナに関してもピンチと捉えるか、チャンスと捉えるかで成果は変わってきますよね。

コロナによって
・オンラインセミナーがスタートし、毎回多くの方が申し込んでいます。
・LINE集客パックが誕生し、顧客アプローチ先が増えました。
・ホームページがリニューアルし、Webマーケティングの土台ができつつあります。

ほかにもありますが、チャンスと捉えたことで生まれたことはたくさんあります。

今までの手当たり次第の営業訪問よりも、
効率的な営業活動が実現できているのではないでしょうか。

できない理由を探すのはとても簡単ですが、
正直時間の無駄です。

今の状況でどうしたら成果を出せるのか。

常にそれを考えられるチームで我々はありたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

代表取締役 田浦貴大
代表取締役 田浦貴大
株式会社ソラミチシステム 代表取締役 福岡大学卒業後、社員教育コンサル会社に入社。 3年でトップセールスとなり独立。 医療系システム会社の営業コンサルタントとして営業部を統括し、中規模チェーン薬局のエリアマネージャー業務の委託を受け、エリア管理・新卒採用業務・新卒研修などを担当。延べ1000名以上の薬剤師と携わる。 2018年に、株式会社エムティーアイの子会社である株式会社ソラミチシステムを設立し代表取締役に就任。クラウド電子薬歴システムの提供を開始し、1年強で700件を超える薬局に導入。 日本の医療プラットフォーム構築を目指し、薬局向けシステムを展開している。

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