Solamichi魂

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ドリルと穴

2020年から、ソラミチシステム社内向けに発信しておりました「ソラミチ魂」を公開いたします。

田浦です。
今回は「ドリルと穴」のお話です。

「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく『穴』である」

これは、マーケティング業界ではよく知られ、
私が仕事をする中で、非常に大切にしている言葉です。

なぜ私が好きなのかというと、
売り手都合(プロダクトアウト)になりがちな考え方を
買い手都合(マーケットイン)に転換することができる
からです。

ホームセンターでの事例で考えてみましょう。
ある人がホームセンターにドリルを買いに来たとします。

販売員が「このお客さまに最適のドリルを選んであげよう」と思い、
モーターやトルク、バッテリーのパワーなどのスペックをいくら親切に説明しても
十分ではありません。

なぜなら、この人の課題や問題をちゃんと理解しなければ
最適なドリルを選ぶのは難しいからです。

よくある「どんなドリルをお探しですか?」という質問も
曖昧すぎて適切とは言えない場合があります。

なぜならこの質問は、
「穴をあけるためには、ドリルが必要である」ということが前提になっています。

本当にドリル以外の選択肢はないでしょうか。

必ずしもそうとは限りません。

では、仮にホームセンターの販売員がこのお客さまのために、
数多いドリルの中から最適な1つを選ぶにはどんな質問をすべきでしょうか?

「穴をあけるものの材質は何ですか?(木材か、コンクリートか、鉄板か)」
「どれくらいの大きさの穴をあけたいのですか?」
「電源(コンセント)は近くにありますか?」
「誰が使うのですか?(屈強な男なのか、女性なのか、子どもなのか)」
「数個の穴をあければ良いのですか?それとも毎日多くの穴をあけなければならないのですか?」

といったものであり、さらに突っ込んで

「それは何をするための穴なのですか?」
という目的まで聞かなければ最適なドリルを見つけ出す手伝いはできません。

お客さまが解決すべき課題・問題を正しく理解して、初めて
このお客さまにとって必要なドリルのスペックが見えてきます。

お客さまが解決すべき課題・問題を正しく理解しなければ、
最適の解決策を提案するのは難しい
わけです。

皆さんはどうでしょうか。

「ソラミチの企画や営業をしていて、ついつい売り手の都合で考えがちになっていませんか?」
「どんな穴が欲しいかを理解せずに、ドリルの販売にこだわっていませんか?」
「どんな穴が欲しいかを理解せずに、機能を追求したドリル制作にこだわっていませんか?」

ぜひ、目の前のお客さまはどんな「穴」を求めているのか?と考えてほしいと思っています。

例えば、ソラミチのお客さまはどんな穴を求めているのでしょうか?

・行政指導などがあっても心配ない状態にしたい
・薬歴記載の時間を削減したい
・どの薬剤師さんでも同じレベルで服薬指導ができる環境にしたい
・どの薬剤師さんが書いても同じレベルの薬歴を作成したい
・患者情報を早く簡潔に確認して、素早い投薬を実現したい
・患者情報を簡単に引き継ぎたい
・ドクターに見られても恥ずかしくない報告書を書きたい
・24時間対応の際、担当以外の患者情報もすぐに確認できるようにしたい
・加算を取りたい
・在宅訪問先でそのまま報告書を書きたい

などなど、考えるだけでもたくさんあります。

電子版お薬手帳を検討しているお客さまで言えば、
・患者数が減少しているから、新規患者を獲得したい
・電子版お薬手帳を使って顧客をファン化したい
・待ち時間を短縮して、感染対策を強化したい
・待ち時間がない薬局としての認知を高める口コミを増やしたい

などがあるかもしれませんね。

当然、相手によって求めている「穴」は違います。
経営者・エリアマネージャー・管理薬剤師・現場薬剤師で求められていることが違うわけですから。

それを理解せずに、相手が誰であろうと同じ提案をしてしまう。
「これが穴だろう」と決めつけてドリルの制作を続けてしまう。

それでは、お客さまから必要とされなくなりますよね。

大事なのは、お客さまの「穴」を誰よりも理解することです。

穴を深く知っていれば、失敗のリスクを低減できます。

お客さまが心から解決したいことが分かれば、
解決できる商品をつくって、提案すればいいだけです。

非常にシンプルです。

だからこそ、お客さまの「穴」を理解しましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

代表取締役 田浦貴大
代表取締役 田浦貴大
株式会社ソラミチシステム 代表取締役 福岡大学卒業後、社員教育コンサル会社に入社。 3年でトップセールスとなり独立。 医療系システム会社の営業コンサルタントとして営業部を統括し、中規模チェーン薬局のエリアマネージャー業務の委託を受け、エリア管理・新卒採用業務・新卒研修などを担当。延べ1000名以上の薬剤師と携わる。 2018年に、株式会社エムティーアイの子会社である株式会社ソラミチシステムを設立し代表取締役に就任。クラウド電子薬歴システムの提供を開始し、1年強で700件を超える薬局に導入。 日本の医療プラットフォーム構築を目指し、薬局向けシステムを展開している。

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