「何から始めればいいの?」に答える、3年後も選ばれる薬局になるための具体的な一歩を一緒に見つけましょう。
2025年11月12日公開
「売上分析はできた。患者数も意識するようになった。技術料単価の重要性も理解した。でも、これからの時代、生き残っていくことはできるのだろうか?」
これまでの記事を通じて、売上改善の基礎を学んできた皆さんの中には、こんな不安を感じている方もいるかもしれません。2025年を迎えた今、薬局業界は大きな変化の波の中にあります。
この記事では、シリーズの締めくくりとして、2025年以降の薬局を取り巻く環境変化を整理し、今から準備すべき3つの機能(対人業務・地域連携・医療DX)と、段階的な実践ロードマップを解説します。
この記事を読めば、「何から手をつければいいのか」という漠然とした不安が、「まず3ヶ月でこれをやろう」という具体的な行動計画に変わります。変化を恐れず、一歩ずつ前に進むことで、3年後も地域に選ばれる薬局を実現していきましょう。
本編に入る前に、ここまでの学びを簡単に振り返りましょう。
これまで一貫して強調してきたのが、「分析→計画→実行→検証」のPDCAサイクルです。データを集めて終わりではなく、そこから課題を特定し、具体的な行動計画を立て、実行し、効果を検証して次につなげる。この継続的な改善サイクルこそが、薬局の持続的な成長を支えます。
これからの薬局経営で直面する環境変化について、具体的なデータとともに見ていきましょう。
薬局に求められる役割は大きく変化しています。かつては「正確に薬を調剤して渡す」という対物業務が中心でしたが、今は「患者さんに寄り添い、薬物療法を支える」対人業務へと軸足が移っています。
この変化は、かかりつけ薬剤師指導料や服薬情報等提供料といった加算の拡充にも表れています。薬を渡すだけでなく、服用後の状態確認、残薬管理、医師へのフィードバックなど、患者さんの服薬を継続的に支える取り組みが評価される仕組みに変わってきました。
2015年の「患者のための薬局ビジョン」から10年。薬局の役割は「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へと転換することが明確に示されています。
個々の薬局にはかかりつけ機能を有することが求められていますが、地域に求められる薬剤師サービスはより多岐にわたります。単独ですべての機能を持つのではなく、地域の中で自薬局の役割を明確にし、他の薬局や医療機関と連携することが必要です。
全国的な外来患者数は2025年にピークを迎えると見込まれますが、65歳以上が占める割合は継続的に上昇し、2050年には約6割に達すると推計されています。特に注目すべきは在宅医療の需要です。2040年にかけて、75歳以上の訪問診療需要は43%増、うち85歳以上は実に62%増と見込まれています。
医療DXは、もはや避けて通れない時代の流れです。2025年6月時点で、電子処方箋の運用開始済み薬局は8割を超えています。
オンライン資格確認や電子処方箋などといったDX対応には「医療DX推進体制整備加算」という評価も設けられており、対応の有無が収益にも直結します。医療DXは業務効率化の手段であると同時に、質の高い医療提供のインフラでもあります。
環境変化を踏まえた上で、これからの薬局が備えるべき3つの機能について見ていきましょう。
日々の調剤・服薬指導を「深化」させ、「薬を渡して終わり」から脱却することが求められています。患者との信頼関係を築き、「あなたの薬局でなければ」と言われる存在になるために、以下の2つの視点が重要です。
患者一人ひとりの薬歴や検査値、生活背景を深く読み解き、薬学的知見に基づいて副作用リスクやポリファーマシーの課題解決に取り組む。
積極的な疑義照会や処方提案を通じて、治療効果を最大化する専門的な「薬学的介入」を実践する。
服用後の体調変化や不安に対し、薬局側から能動的に連絡を取り、患者の安心感を醸成する。
この業務の「深化」と「継続的フォロー」の積み重ねこそが、「あなたの薬局でなければ」という患者との揺るぎない信頼関係を築くのです。

「CARADA 電子薬歴 Solamichi」の服薬フォロー機能では、送信から記録までを一元管理でき、患者とのつながりを保ちながら、日々の業務負担を軽減します。
これからの薬局が価値を発揮する場所は、もはや医療機関の「門前」ではありません。地域住民が暮らす「生活圏そのもの」です。処方箋を待つ時代は終わり、薬局から外へ出て、能動的に地域と関わる「連携力」こそが、持続的な経営のカギとなります。
患者の生活実態を把握し、その情報を服薬情報提供書(トレーシングレポート)でフィードバックする。
日常的な健康の悩みに対応することで、「体調のことで気になることがあれば、まずは薬局へ」という意識を地域に根付かせる。
この双方を推進することで、薬局は処方箋調剤という点から、予防から在宅医療までをつなぐ線、そして地域包括ケアシステム全体を支える面としての役割を担えます。これこそが、地域になくてはならない「健康サポート拠点」への進化であり、処方箋枚数に左右されない新たな価値創造の道筋です。
医療DXへの対応は、システム導入だけでは完結しません。導入したシステムを使いこなし、患者サービスの向上や業務効率化につなげることが本来の目的です。
DXは「手段」であり、その先にある「技術料単価の向上」「患者満足度の向上」こそが、経営者が目指すべき真のゴールです。

「CARADA 電子薬歴 Solamichi」で薬歴作成を効率化。薬剤師に、より価値のある時間をもたらします。
具体的にどう動けばよいのでしょうか。3ヶ月・6ヶ月・1年後という段階的な目標設定を通じて、実践的なロードマップを提示します。
最初の3ヶ月は、自薬局の現状を徹底的に把握し、取り組むべき課題の優先順位を決める期間です。これまでの記事で学んだ分析を実施し、自薬局の強みと課題を整理しましょう。
この現状把握に基づいて、自薬局の「今、最も改善すべき点はどこか」「リソースを集中すべき課題は何か」を特定します。すべてを同時に進める必要はありません。自薬局の状況と地域のニーズに応じて、取り組むべき優先順位を明確にすることが成功のカギです。
6ヶ月後には、4-1で特定した優先順位の高い取り組みで、具体的な行動を開始し、成果が見え始める段階を目指します。
地域の在宅医療提供体制の調査と連携先の確保
いずれの場合も、具体的な数値目標(KPI)を設定し、月次で進捗を確認しましょう。
1年後には、着手した取り組みが薬局の強みや特徴として定着し、地域や患者さんから認識され始める段階を目指します。
重要なのは、1年で完璧を目指すのではなく、継続的な改善のサイクルを確立することです。これまで学んだPDCAサイクルを回し続けることで、3年後には地域になくてはならない薬局へと成長できます。
全4回の記事を通じて、売上改善の基礎から、これからの薬局経営で求められる変化まで、幅広くお伝えしてきました。
確かに、薬局経営を取り巻く環境は厳しさを増しています。しかし、これは裏を返せば、地域における薬局の存在価値と役割を、より強固なものにする最高のチャンスでもあります。大切なのは、完璧な正解を探すことではなく、現状把握という「最初の確実な一歩」を踏み出すことです。
さあ、未来への一歩を踏み出しましょう。地域から必要とされ、3年後も輝き続ける薬局を、あなたの手で実現できると確信しています。

患者さんや医師とのコミュニケーションを大切に、在宅業務でより効果的な薬学的側面からの支援を実現。往診同行でも情報がすぐに確認できるクラウド型の電子薬歴が必須。書類管理などの在宅業務を効率化して、薬剤師としての成長とやりがいを実感。
うさぎ薬局(沖縄県)
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